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崩れたポーズが大事~ルパン三世のデザイン・色彩設計

2015.09.11

こんにちは。テレコム制作進行見習いのナカノンです。
今日からは、キャラクターデザイン・総作画監督の横堀さんと色彩設計の山本さんに今回のシリーズのキャラクターについて聞いていきます。

◆ 横堀さん、山本さんよろしくお願いいたします!

 

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◆ これが今回のルパンのキャラクター設定ですね?

 

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山本:これ来た時驚いたのよねぇ。

◆ えっ?なんでですか?

山本:最近の作品のキャラクター設定書って、形状とか等身を把握させるために特にポーズをさせないで、正面、右横、左横、背面という形で、すべてのキャラクターが描いてあるのが普通なんです。でも今回のものはキャラクターごとのそれらしいポーズになっててね。

◆ そういえば、最近買ったある作品の資料集もそうなっていた気がします。

横堀:使わない画は載せたくなかったんだよね。ルパンならルパンらしいポーズをさせて、等身とかもわかり易く、というものにしたかった。いわゆる仁王立ちの設定にしちゃうと原画マンがそれに囚われちゃうような気がしてね。大塚康生さんの描いたファーストルパンの設定書もそのキャラクターらしいポーズで描かれてたんだよね。

◆ そうなんですか?

横堀:ファーストルパンってそれまでのアニメにはないリアルな世界観が目指されていたんだよね。作画監督の大塚さんは、例えば駅のホームで電車を待っている人の姿を観察したりしてポーズの研究をしたらしい。人間って普段は重心が左右のどっちかにずれるんだよね。そういう「崩れたポーズ」が大事だと、テレコム入った時から大塚さんに鍛えられたからね。ここだけは譲れないという思いがあるんだよね。

 

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◆ こういう設定資料だとキャラクターの内面まで伝わってきて、見てるだけで楽しいです。

横堀:デザインは結局、「器」でしかない。そのキャラクターがどう動いて、どういう演技をするかが大事。だから、動きや演技をイメージさせる設定が必要だと思うんだよ。

◆ なるほど!では、今回のルパンはどんなイメージなんですか?

横堀:ファースト前半のハードさとセカンド的なコミカルさの両立を意識しつつ、気持ちとしてはややファーストに寄せたイメージかな。

 

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横堀:ルパンは雰囲気なんだよね。すごく難しい。ルパンのキャラクターの内面がわかかっていないと表情、ポーズが描けないんです。

◆ 山本さん、色はどうやって決めていったんですか?

山本:線画を見た時の第一印象が大事。第一印象で感じたものが大体一番しっくりきます。それと今回は、できるだけリアルな感じの色味にしましたね。服とか、実際に自分でも着られそうな色にしたかった。

 

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◆ 今回はブルージャケットが印象的ですね。

山本:緑(ファースト)、赤(セカンド)、ピンク(パートスリー)のどれとも違う色にするというのが最初にありましたね。で、イタリアで好きな色を聞いたら「青」という声が多かったそうなのね。

◆ イタリア人は「青」好きなんですか!

山本:そこで「青」の中から、青空に溶け込まない、他のキャラの色を邪魔しない、地味にならず5人の中で一番目立つ、でも上品さをなくさない、イタリアなのでおシャレに見せたい、ということを考えて色を決めました。ブルーに少しシアンを混ぜた感じ。

 

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◆ ひゃあ、色を決めるのって大変なんですね。

山本:そのキャラだけのことじゃなくて、他のキャラクターや背景のことも考えなくちゃならないからね。

 

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山本:シャツは濃紺。ダークにしたかったんだけど黒だとマフィアみたいになっちゃうし、ライン(線の部分)が見えなくなっちゃうので濃紺にしました。今回はできるだけラインを見せたかったので。ネクタイは赤で、シルバーのタイピンで留めています。

◆ 髪の色もこれまでのルパンより少し明るい感じがします。

山本:シャツの色が濃いので黒だと全体が重くなることと、やはりラインを見せたいので少し茶色をいれて明るくしましたね。

◆ 何気なく画面で見ていることも、こうしてひとつひとつ考え抜かれて決めていくんですね。

横堀さん、山本さん、ありがとうございました。次回は次元のことを聞かせてください!

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